ふと振り返るとこの地に来たのが7月の終わり頃。
その頃の北米は朝晩というと何か羽織るものが欲しくなるくらいに気温が落ちた。
ホテル滞在中には寝る時にはエアコンを消して少しだけ窓を開けておいても、
ベッドではやはりコンフォーターに包まるくらいの気温だった。
数ヶ月前を思い返してみると、ここにも少し慣れて来たのかもしれない。
ブログの更新もままならず、それでもトライしようと画像を撮ったものが出て来ました。
スーツケース2つで丸2ヶ月ほど過ごすだろうと予想し夏服のみとはいえ重さを慮って、
少し母国語の活字が欲しくなった時のために数冊の本を入れて来ました。
そのうちの一冊が、桐島洋子さんの『女がはばたくとき』。
20代の頃に買った記憶があります。
何度も何度も読んで、その度に新しい発見がある。
頼る人もいない土地で子供を育てつつ仕事をし、人には言えない個人的な悩みがあったりして
大げさではなく実際に迷った時に助けられたこともある本。
そういう経験が何度かあったので手放せずに今も持っています。
今また読んでみると、『そうそう!』なんて厚かましくも同意してみたり。
私のライブラリの中で、人生のバイブルといっても過言ではない一冊となりました。
☆
記憶に強く残る本の中に吉行理恵さんの『小さな貴婦人』『男嫌い』があるのですが、
日本に住んでいた頃に図書館で見つけ、その後何度か借りて読みました。
欲しいと思い探せど当時本屋さんで見つからず、(ネットで買う時代ではなかった)
その後またアメリカで生活したりして残念ながら読めずに今に至ります。
猫と暮らしている主人公の独身妙齢女性の独り言のような語り口で構成されていました。
独りの寂しさ、反対に独りゆえの楽さ、猫の動きと主人公の雰囲気とのコントラスト、
心の奥に秘めたコンプレックス。
恐らく吉行理恵さんご本人が投影されている、そんな風にも感じました。
この本を読んだ当時の私はまだ若く、主人公の思いを何となく想像はできるものの、
まだ特に彼女の想いが身に沁みる年齢ではなかったのです。
今の私はひょっとしたらこの主人公の女性よりも少し上の年齢になり、
また読んでみたらどんな風に感じるのだろう、
そんなことを思いつつまたこの本を読んでみたいと思っています。
8月初旬のここに来て間もないスコールがまだ珍しかった頃の画像。
いきなり暗くなって来たかと思うと天地がひっくり返るのではと思えるほどの雷と、
くっきりと現れる稲妻の様子に毎度驚いていました。
木々の向こう側が雨で真っ白になっています。
ほんの短い間、こんな風になったかと思うとまたカンカン照りのお天気に。
あの暑さに私はいちいち腹を立てていた。笑
見返しているとそんなことを思い出して来て、自分のことを笑えるのがおかしいです。
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